岐阜市の魅力① 小説:川端康成(2019.11.7)
川端康成(ノーベル賞作家)は岐阜長良川等を舞台に「篝火」「非常」 「南方の火」 で、伊藤初代をモデルに短編小説を書いているのをご存じだろうか。?失恋の痛手を癒すために再び伊豆に赴き、湯ヶ島湯本館で、草稿『湯ヶ島での思ひ出』を原稿用紙107枚執筆し、自分を拒み通した伊藤初代とは違い、無垢に好意を寄せてくれた伊豆の踊子や小笠原義人の思い出を綴った。
初代と親しくなれた康成は秋に結婚を決意し、10月8日に再び三明永無と共に岐阜に赴き、初代のいる「西方寺」を訪問して長良川湖畔の宿で初代と結婚の約束を果たし、翌日「旧瀬古写真館」で婚約記念の写真を撮った。
帰京後、川端は初代との婚約を石濱金作ら同人に報告し、「独身送別会」を開いてもらい、友人達の友情に感涙していたという。その後岩手県岩谷堂字上堰で小学校の小使いをしている父親・忠吉と学校の宿直室と宿で面会し、初代の婚約記念写真を見て泣いている忠吉から承諾を取った。
当初は「港館」に宿泊を考えていたが、嵐(多分台風)で二階も階下も雨戸を破られたので宿泊できず。北岸の「鐘秀館」に宿泊した。